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弁護士から学ぶ法律学習クラス

弁護士 田村宏次
第1回:賃貸経営に不可欠な「賃貸借契約」

Part2.普通賃貸借と定期賃貸借について

前のページでご説明した契約の期間については、通常の賃貸借契約(以下「普通賃貸借」といいます。)と定期賃貸借とでは、意味が大きく異なります。以下、アパートの一室を賃貸するという設定で、その違いをご説明します。


まず、アパートを賃貸するという場合、普通賃貸借も定期賃貸借もともに期間を定めて契約することになりますので、期間の定めのある賃貸借であるという点では共通します。


つまり、賃貸借契約書には、共に、
「本賃貸借の期間は●年●月●日から●年●月●日迄の●年間とする。」
との定めがなされます。


ただ、普通賃貸借と定期賃貸借とでは、契約期間が満了し、更に同じ当事者で同様の契約を行いたいときの手法が大きく異なります。


まず、普通賃貸借では、前回も少しお話ししましたが契約の「更新」が行われます。ここで「更新」とは、基本的に契約期間の延長と考えていただけると良いかと思います。つまり、更新によって契約期間が延長されるのみで、「前」「後」の契約では基本的に同一性のある契約ということになります。


他方、定期賃貸借では、「再契約」という手法によることになります。つまり、契約期間の満了時迄に、同じ当事者で新たな契約を締結することになります。定期賃貸借においては、期間の満了によって「前」の契約は完全に終了し、「再契約」によって「後」の契約が新たに締結されることになりますので、「前」と「後」との契約とは、全く質の異なった契約ということになります。


更に、普通賃貸借では、賃貸人が契約の更新を拒絶するには「正当事由」が必要ですが、定期賃貸借では、再契約を行うか否かは、原則的に、賃貸人と賃借人の合意が成立するか否かによります。

まとめ 普通賃貸借定期賃貸借の違い
  契約期間が満了し、同じ当事者で同様の契約を行いたい場合 「前」と「後」との契約 その他
普通賃貸借 契約の「更新」(契約期間の延長) 基本的に同一性のある契約 賃貸人が契約の更新を拒絶するには「正当事由」が必要
定期賃貸借 「再契約」(満了時迄に、新たな契約を締結) 全く質の異なった契約 再契約を行うか否かは、原則的に、賃貸人と賃借人の合意の成否
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